1. 岡山城の歴史と概要
1.1 岡山城の起源と宇喜多氏
岡山城は、岡山市の中心部を流れる旭川のほとりに建つ、岡山を代表する城です。黒い外観から「烏城(うじょう)」の名でも親しまれ、対岸の岡山後楽園とあわせて楽しめる観光スポットとして知られています。
現在の岡山城につながる歴史で欠かせないのが、戦国大名の宇喜多氏です。もともとこの一帯には、岡山・石山・天神山という三つの丘があり、宇喜多直家は石山にあった城を本拠としました。その後、子の宇喜多秀家が岡山の丘に本丸を定め、本格的な城づくりを進めたと伝えられています。
1.2 宇喜多秀家による築城と城下町の整備
岡山城の天守は、宇喜多秀家の時代、慶長2年(1597)に完成したとされています。秀家は豊臣秀吉のもとで重きをなした大名で、のちに五大老の一人にも数えられた人物です。天守は織田信長の安土城天守を模して築かれたとも伝えられ、黒い下見板張りの外観に金箔瓦をあしらった、当時としても豪壮な姿だったといわれています。
築城にあたっては、旭川の流れを城の守りに活かしながら、城下町が整えられていきました。現在の岡山市中心部の原型は、この時代の城と城下町づくりに大きく関わっています。岡山という地名が市名・県名へと受け継がれていくうえでも、岡山城は大きな意味を持つ城といえるでしょう。
関ヶ原の戦いの後には小早川秀秋が入城し、その後は池田氏の時代へと移ります。江戸時代を通じて岡山城と城下町はさらに整備され、岡山藩の政治・文化の中心として発展していきました。
1.3 戦災による焼失と再建、令和の大改修
築城当時の姿を長く伝えてきた天守でしたが、昭和20年(1945)の空襲により焼失しました。現在見ることができる天守は、昭和41年(1966)に再建されたものです。
その後、令和の大改修を経て、令和4年(2022)にリニューアルオープンしました。現在の天守内では、岡山城の歴史や歴代の城主、城下町の成り立ちなどを、展示を通して学ぶことができます。戦国から江戸、そして現代へと続く岡山城の歩みを知ることで、城を眺める時間もより味わい深いものになります。
2. 岡山城の特徴と構造
2.1 黒い外観から「烏城」と呼ばれる天守
岡山城の大きな特徴は、黒い下見板張りの外観です。この漆黒の姿から、岡山城は「烏城」と呼ばれてきました。白漆喰の城とはまた違う引き締まった印象があり、旭川の水面や岡山後楽園の緑と並ぶことで、岡山城らしい景観をつくっています。
また、金の鯱や金箔瓦でも知られています。豊臣政権期の華やかさを感じさせる要素もあり、単に黒いだけではなく、重厚さときらびやかさをあわせ持つ城といえます。
2.2 不等辺五角形の天守と石垣の見どころ
岡山城の天守は、真上から見ると不等辺五角形のような独特の平面をしています。これは築かれた地形や石垣に合わせた構造によるもので、全国的にも珍しい岡山城ならではの見どころです。
石垣にも注目したいところです。本丸周辺には時代ごとの積み方や改修の跡が見られ、宇喜多氏の時代、池田氏の時代と、城主が変わる中で城郭が整えられていったことを石垣からも感じることができます。

2.3 月見櫓と西之丸西手櫓などの文化財
岡山城には、再建された天守だけでなく、戦災を免れて現存する貴重な建造物もあります。代表的なものが、国の重要文化財に指定されている月見櫓です。月見櫓は江戸時代初期、池田忠雄が城主であった頃に建てられたとされ、本丸中の段の北西を固める隅櫓でした。
城外側から見ると防御のための櫓らしい堅さがあり、城内側から見ると格式を感じさせる造りになっている点も特徴です。名前から優雅な月見の場を想像しがちですが、実際には軍事的な機能も備えた建物でした。
また、路面電車「城下」電停にほど近い西之丸西手櫓も、国の重要文化財に指定されています。岡山城を訪れる際は、天守だけでなくこうした現存建造物にも目を向けると、城の歴史をより立体的に感じられます。
3. 岡山城の見どころ
3.1 天守から眺める旭川と岡山後楽園
岡山城の天守からは、岡山市街地や旭川、そして対岸に広がる岡山後楽園を望むことができます。城と庭園が川を挟んで向かい合う景観は、岡山城ならではの魅力です。
岡山後楽園とあわせて訪れれば、城を外から眺める時間と、庭園から城を眺める時間の両方を楽しめます。歴史ある城郭と名園を一度に味わえるのは、岡山観光の大きな魅力といえるでしょう。
3.2 岡山城天守内の展示
天守内では、宇喜多氏や池田氏の歴史、岡山城の成り立ち、城下町の発展などを学ぶことができます。令和の大改修後は展示内容も整えられ、歴史に詳しくない方でも流れを追いやすい構成になっています。
外観を楽しむだけでなく内部展示を見学することで、岡山城がどのように築かれ、どのように地域の中心となっていったのかを知ることができます。
3.3 ライトアップと季節のイベント
岡山城は夜間にライトアップされることがあり、昼間とは違った表情を見せます。黒い天守が光に照らされる姿は印象的で、写真撮影を楽しむ方にも人気です。
また、春・夏・秋には「烏城灯源郷」をはじめ、季節に合わせたイベントが岡山城一帯で行われることがあります。ただし開催日程や内容は年によって変わるため、訪問前に岡山城公式サイトや岡山市の観光情報で最新の情報を確認しておくと安心です。

4. 岡山城の所在地・開館時間
4.1 所在地と周辺情報
岡山城は、岡山県岡山市北区丸の内にあります。岡山市中心部に位置し、岡山後楽園、岡山県立美術館、林原美術館、表町商店街なども徒歩圏内です。
岡山駅からもアクセスしやすく、路面電車やバスを使えば、初めて訪れる方でも移動しやすい場所にあります。岡山城だけでなく、後楽園や周辺の文化施設、まち歩きと組み合わせると、半日から一日かけてゆっくり楽しめます。
4.2 開館時間と入場料
岡山城天守の通常の開館時間は、9:00から17:30までです(最終入場は17:00まで)。休館日は年末の12月29日から31日で、荒天時や点検などにより臨時休館となる場合があります。
入場料は、令和8年(2026)4月1日以降、大人500円、中学生以下は無料と案内されています。団体料金や、入場料の免除・割引制度もあるため、該当する場合は事前に公式サイトで確認しておくとよいでしょう。
※開館時間・料金・休館日は変更される場合があります。訪問前に必ず岡山城公式サイトで最新情報をご確認ください。
4.3 岡山後楽園との共通券
岡山城を訪れるなら、岡山後楽園との共通券も便利です。令和8年(2026)4月1日以降、岡山後楽園入園券と岡山城天守入場券のセット共通券は、大人800円と案内されています。
岡山後楽園は日本三名園の一つに数えられる庭園で、岡山城とは旭川を挟んで向かい合う位置にあります。庭園から岡山城を眺める景色も美しく、城と庭園をあわせて訪れることで、岡山らしい歴史と風景をより深く楽しめます。
※共通券の料金や対象施設は変更される場合があります。訪問前に岡山城公式サイト、岡山後楽園公式サイトで最新情報をご確認ください。
5. 岡山城へのアクセス
5.1 電車・路面電車でのアクセス
岡山城の最寄りとなる主要駅はJR岡山駅です。岡山駅からは路面電車の利用が便利で、岡山電気軌道の東山行きに乗り「城下」電停で下車すると、そこから徒歩約10分で岡山城に向かうことができます。
岡山駅から歩いて向かうこともできますが、初めて訪れる場合や暑い時期、荷物が多い場合は、路面電車やバスの利用がおすすめです。
5.2 バスでのアクセス
バスを利用する場合は、岡山駅から岡電バスなどに乗り「県庁前」バス停で下車すると、徒歩約5分で岡山城にアクセスできます。岡山後楽園とあわせて訪れる場合は、目的地に応じて最寄りのバス停を確認しておくとスムーズです。
市内中心部の移動は、路面電車とバスを組み合わせると便利です。運行時刻や乗り場は変更される場合があるため、訪問前に交通機関の公式情報を確認してください。
5.3 車・飛行機でのアクセス
車で訪れる場合は、山陽自動車道の岡山ICから岡山市街地方面へ向かいます。岡山城天守閣には専用駐車場がないため、周辺の有料駐車場などを利用する形になります。休日やイベント開催時は混雑することもあるため、時間に余裕を持って行動すると安心です。
飛行機を利用する場合は、岡山桃太郎空港から岡山駅方面へのリムジンバスを利用し、岡山駅から路面電車やバスで岡山城へ向かう流れが一般的です。
6. 岡山城周辺の観光スポット
6.1 岡山後楽園
岡山城とあわせて訪れたい代表的なスポットが、岡山後楽園です。岡山藩主・池田綱政の時代に造営が始まった庭園で、国の特別名勝に指定されています。
広々とした芝生、池、茶屋、築山などが配置され、季節ごとに異なる風景を楽しめます。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の落ち着いた景色など、いつ訪れても見どころがあります。岡山城を借景にした眺めも美しく、城と庭園を一緒に歩くことで、岡山らしい景観を満喫できます。
6.2 岡山県立美術館・林原美術館
岡山城の周辺には文化施設も点在しています。岡山県立美術館では、岡山ゆかりの美術作品や企画展を楽しむことができ、城や後楽園の散策とあわせて岡山の文化に触れたい方におすすめです。
また、岡山城に近い林原美術館は、刀剣や能面、書画など歴史を感じられる所蔵品で知られています。岡山城の歴史に興味を持った方は、周辺の美術館をめぐることで、より深く岡山の文化に親しめます。
6.3 表町商店街と岡山市中心部のまち歩き
岡山城から少し足を延ばすと、表町商店街や岡山市中心部のまち歩きも楽しめます。飲食店やカフェ、土産物店などが並び、観光の合間の休憩にも便利です。
岡山城と岡山後楽園で歴史と自然を楽しんだ後、中心部で食事や買い物を楽しむ流れにすると、岡山のまちをより身近に感じられます。時間に余裕があれば、城下町の雰囲気を思い描きながら歩いてみるのもおすすめです。
お城完全ガイドのまとめ
岡山城は、宇喜多秀家によって本格的に築かれた、黒い外観から「烏城」と呼ばれる岡山のシンボルです。昭和20年の空襲で天守は焼失しましたが、再建と令和の大改修を経て、現在は岡山城の歴史や城主、城下町の歩みを学べる施設として親しまれています。
黒い天守、不等辺五角形の独特な構造、時代ごとの石垣、月見櫓や西之丸西手櫓といった重要文化財など、見どころは数多くあります。さらに、旭川を挟んで岡山後楽園と向かい合う立地も岡山城ならではの魅力です。岡山駅からアクセスしやすく、後楽園や美術館、商店街など周辺観光と組み合わせやすいのも魅力の一つ。歴史を学びながら景色やまち歩きも楽しめる岡山城は、岡山を訪れるなら一度は立ち寄りたい名城です。
岡山城を訪ねた記憶を旅のあとも手元に残したい方には、『文字のお城のしおり「岡山城」』もおすすめです。黒い天守の印象や、岡山後楽園から眺めた景色を、本のページにそっと挟んでおける一枚。読書のしるしとしてはもちろん、旅の記念やお城好きの方への贈り物にもどうぞ。
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